養育費とは、未成熟の子どもが社会人として自立するまでに必要となる、すべての費用のことです。

両親には、未成熟の子どもを養育し、自分(親)と同程度の生活を保障する義務があります。

養育費は、どちらに親権があるかに関係なく、双方が経済力に応じて分担するものです。子どもを引き取った側は労力・費用を負担することは免れませんし、引き取らなかった方は少なくても費用を負担すべきです。

養育費請求権は、本来は子どもが親に対して持つ権利です。

養育費の金額・支払方法に関しては、法律に具体的な定めがありません。ですから、離婚する夫婦の自由であると言えます。ただし、金額を決めるときは、「子どもが親と同程度の生活がおくれるように」との基準を頭に置いておくべきです。

養育費の金額・支払方法は、まず父母の話し合いで決めます。話し合いの調整がつかない場合は、裁判所での調停・審判の方法があります。

子ども一人あたり月3~5万が一般的です。

養育費の取り決め(必須事項)・・・離婚協議書(契約書)、公正証書にして残しておくのが賢明です。
①子ども一人あたりいくら支払うか
②支払い(送金)の方法
③子どもがいくつ(何歳)になるまで支払うか
④子どもが病気になった場合の負担、入学金の負担などの取り決め

「子の養育費は以後一切請求しない」という請求権放棄の合意を離婚協議書に記載しても、不適法な合意とされ、一般的には効力はないとされます。たとえ記載があっても、扶養請求権の処分は禁止されています(民法881条)ので、子は別居した親に扶養を請求することができます。

(扶養請求権の処分の禁止)
民法第881条 扶養を受ける権利は、処分をすることができない。

養育費には「事情変更の原則」(民法880条)が適用され、協議や審判があった後、事情に変更が生じたときは、変更・取消が可能です(家庭裁判所)。

(扶養に関する協議又は審判の変更又は取消し)
民法第880条 扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。


慰謝料とは、相手方の不法行為によって被った精神的苦痛を慰謝するための損害賠償のことです。

離婚に際して、「慰謝料は当然払ってもらえる」と考えている人がいるかもしれませんが、慰謝料というのは、それ相当の原因があって初めて出てくるものです。

「性格の不一致」や「価値観の相違」など、どちらにも責任があると考えられる場合は、原則として、お互いに慰謝料の請求はできません。

離婚の慰謝料(2種類)
①婚姻関係を破綻させた責任を負う側が、他方の精神的苦痛を慰謝するために支払う慰謝料・・・一般的イメージの慰謝料(離婚)
②婚姻関係を破綻させるに至らしめた個々の事件から発生する慰謝料・・・暴行、傷害、侮辱、名誉毀損など

浮気・不倫相手(愛人)への慰謝料(2種類)
①離婚にまで至らなかったとしても、個々の不貞行為の事実に対する慰謝料
②不貞行為のために婚姻関係が破綻し、離婚までに至らしめた責任を問題にする慰謝料

慰謝料請求ができる期間(消滅時効)・・・損害及び加害者を知った時から3年


財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して取得した財産を、離婚する際に、又は離婚後に分けることです。

財産分与の法律的な性質
・清算的財産分与(夫婦が婚姻中に築いた共同財産の清算)・・・財産分与の中心になります。
・扶養的財産分与(離婚後の弱者に対する扶養)・・・離婚によって生活ができなくなる夫婦の一方の暮らしを維持するための財産分与です。経済的に弱い立場にある配偶者が自立をするまでの援助として支払います。
・慰謝料的財産分与(離婚による慰謝料)・・・離婚による慰謝料を含めた場合の財産分与です。財産分与に慰謝料が含まれて、精神的な苦痛に対して「十分に慰謝されている」場合、配偶者の不貞行為などを理由として、別に慰謝料を請求することはできません。「慰謝するには足りない」場合には、別に慰謝料を請求することができます。
・過去の婚姻費用の清算・・・婚姻費用とは、財産、収入、社会的地位などに相応した夫婦共同の生活を維持するために必要な生活費のことです(衣食住の費用、医療費、養育費、教育費、交際費などを含みます)。同居、別居を問わず、夫婦は婚姻中は婚姻費用を分担しなければなりません。多くは婚姻中に「婚姻費用分担請求」という形で処理されます。例えば、離婚が成立するまでに夫婦が別居をしていた場合でも、その間に要した生活費は婚姻費用として認められます。ですから、別居期間中などの過去の婚姻費用については相手方に請求することができ、その婚姻費用を財産分与の中に含めて調整することもできるのです。

(婚姻費用の分担)
民法第760条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。

婚姻中であれば、配偶者及び子どもに対して扶養義務があります(離婚成立まで継続します)。離婚をすると、配偶者に対する扶養義務が無くなりますが、子どもに対する扶養義務(養育費)は残ります。

離婚原因をつくった側(有責配偶者)からも財産分与の請求ができます。

財産分与の割合は、財産の取得や維持に対する夫婦双方の貢献(寄与)の度合いにより決まります。例えば、夫婦が共働きで、双方の給料にそれほど差が無いような場合は、貢献度(寄与度)は半々とされます。また、専業主婦の場合は、家事労働が財産の形成に貢献した度合いに応じて、財産分与が認められることになります(以前は2~3割が貢献度とされていましたが、現在では5割とされることも多くなってきています)。

財産分与の金額・支払方法などは、夫婦の話し合いで決めます。話し合いがまとまらない場合は、裁判所での調停・審判の方法があります。

財産分与の対象になる財産(共有財産、実質的共有財産)
①夫婦が婚姻中に協力して取得した財産・・・名義にかかわらず
②住宅ローンなど、夫婦が共同生活のために負担したマイナスの財産(債務)・・・名義にかかわらず

・特有財産・・・婚姻前(結婚前)から各自が所有していたもの。婚姻中に一方が相続したり、贈与を受けたもの。各自の装身具など、社会通念上各自の専用品と見られるもの。財産分与の対象にはなりません。
・共有財産・・・夫婦の合意で共有とし、共有名義で取得した財産。共同生活に必要な家財・家具など。財産分与の対象となります。
・実質的共有財産・・・婚姻中に夫婦が協力して取得した財産で、夫婦の一方の名義になっているもの。財産分与の対象となります。

財産分与の対象となる財産は、現金・預貯金・不動産(土地・建物)・車・有価証券・ゴルフ会員権・債権・保険金などはもちろんですが、退職金や年金も対象になります。

財産分与請求ができる期間(除斥期間)・・・離婚の時から2年

離婚に伴う問題としては他に、親権や監護権、面接交渉権があります。


慰謝料とは、「精神的苦痛に対する損害賠償」、簡単に言うと、加害者のせいで受けた精神的苦痛に対して、加害者が被害者に支払うべき金銭(精神的苦痛に対する償い)のことです。精神的損害を与えた側が、受けた側に支払います。慰謝料の例としては、浮気・不倫相手(愛人)に対する慰謝料やセクハラ・パワハラに対する慰謝料、内縁の不当破棄に対する慰謝料、暴力(暴行・傷害)に対する慰謝料、名誉毀損に対する慰謝料などがあります。慰謝料の支払方法は、金銭での支払いが一般的ですが、不動産や株券で支払われる場合もあります。

例えば、あなたに配偶者(夫・妻)がいた、とします。その配偶者にあなたがいることを知りながら不倫・浮気に及んだ相手(愛人)がいる場合、あなたはその不倫・浮気相手(愛人)のせいで、おそらく相当な精神的苦痛を受けるでしょう。あなたはこの浮気・不倫相手(愛人)に対して何らかのかたちで償いをさせたい(償いをしてもらいたい)と感じるはずです。しかしながら、一度受けた精神的苦痛を回復させることはかなり困難です。謝ってもらえればまだ良いのですが、それもなかなか望めませんし(仮に相手に謝ってもらったところで精神的苦痛はなかなか癒されない)、それに実際のところ、「心からの謝罪」なのかどうかもわかりません。そこで、この精神的苦痛に対する償いについては、せめて相手にお金を払わせる事(お金を払ってもらう事)で手打ちにする、というこの「お金」が慰謝料であり、この「お金」を請求する事が慰謝料請求です。慰謝料請求について、民法の709条・710条で、不法行為による損害賠償責任は「財産以外の損害」(精神的苦痛)にも及ぶと規定しています。

根拠となる条文(民法)

(不法行為による損害賠償)
第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(財産以外の損害の賠償)
第710条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条(第709条)の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

法律上の夫婦(婚姻関係にある者)は、貞操義務(配偶者以外の異性との肉体関係を持たない義務)をはじめとする夫婦関係を円満に継続するための各種の義務を相互に負っていると考えられています。したがって、浮気・不倫行為(不貞行為)によって、配偶者(夫・妻)としての各種権利(貞操権など)が侵害された場合、これによって受けた精神的苦痛に対する損害の賠償(慰謝料)を求めることができます。

浮気・不倫行為(不貞行為)が原因で離婚に至った場合はもちろんですが、離婚に至らなかった場合でも慰謝料の請求は可能です。

浮気・不倫行為(不貞行為)は、有責配偶者と浮気・不倫相手との共同不法行為となります。したがって、慰謝料の請求は、配偶者のみならず、浮気・不倫相手(愛人)に対しても請求できます。

法律上の不貞とは、「配偶者のある人が自由な意思に基づいて配偶者以外の異性と性的関係を結ぶこと」です。どちらから誘ったかは関係ありません。キス(接吻)や手をつないだり、デートや食事をしていたり、電話・メール・手紙などのやりとりがあっても肉体関係がなければ「不貞」と言うことはできません。ですから、浮気・不倫相手(愛人)に貞操権侵害による慰謝料を請求する場合、「肉体関係」がなければ法律上は認められないということになります。

浮気・不倫相手(愛人)に対する内容証明での請求は、金銭的な効果のみならず、自らの行為が不法行為であることを自覚させ、浮気・不倫を止めさせる効果もあると言えます。ですから、浮気・不倫相手(愛人)に対して慰謝料請求をする場合、行政書士などの専門家が作成した内容証明を送るのが効果的です。

最高裁判例(昭和54年3月30日判決)

夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意又は過失がある限り、右配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、右他方の配偶者のこうむった精神上の苦痛を慰謝すべき義務があるというべきである。
※しかし、「責められるべきは貞操義務に違反した配偶者であり、不貞行為の様態によっては第三者(浮気・不倫相手)には責任を問えない」という見解もみられますので、必ずしも浮気・不倫相手から慰謝料を取れるとは限りません。例えば、夫又は妻が結婚していることを隠して相手方と関係を持ち、しかも相手方も過失なく夫又は妻が結婚していることを知ることができなかった場合や、夫又は妻が暴力や脅迫をもって相手方との関係を持った場合などには、相手方も被害者と評価できますから、慰謝料の請求はできないと考えられています。

子どもから浮気・不倫相手(愛人)に対する慰謝料請求
その相手が害意をもって父親(又は母親)の子に対する監護等を積極的に阻止するなどの「特段の事情」があれば、慰謝料請求は可能とされています。


「裁判上の離婚原因」では肉体関係未満は含まれません。また、1回限りの「不貞行為(浮気・不倫)」は、民法第770条第2項の「裁判所は、第1項の1号から4号までの理由がある場合でも、一切の事情を考慮して、結婚を続けさせたほうが良いと考えるときは、離婚の請求を認めないでもよい」との理由から、判例では1回限りの「不貞行為」で離婚を認めた例はありません。

「1回限りの浮気・不倫(不貞行為)は許される」というわけではなく、裁判上の離婚原因として認められる「不貞行為」とは、「ある程度の継続性のある肉体関係を伴う男女の関係を指す」と裁判所が捉えていると考えられます。離婚の原因が「不貞行為」にあたるかどうかでその後の慰謝料や財産分与の金額に差が出る場合があります。

条文(民法)

(裁判上の離婚)
第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1 配偶者に不貞な行為があったとき。
2 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
第2項 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

※上記は、あくまで「裁判上の離婚原因」ですので、夫婦が協議して離婚する(協議離婚)のは自由です。ちなみに日本で離婚する夫婦の約90%が協議離婚です。


1 不貞行為をしたこと(肉体関係をもったこと)
配偶者に異性との肉体関係があることが必要です。キス(接吻)や手をつないだり、デートや食事をしていたり、電話・メール・手紙などのやりとりがあっても肉体関係(性行為、性交渉)がなければ慰謝料請求は極めて困難です(裁判所が「不貞行為」を認定する際に最も重視するのが「性行為の存在を確認・推認できる証拠」です。裁判所が判断する「性行為の存在を確認・推認できる証拠」のハードルは非常に高いと言われています。そもそも性行為がなければ、「不貞行為」と認定されることはまずないでしょう)。

2 夫婦関係が破綻していないこと(別居状態等でないこと)
判例(裁判例)では、夫婦の婚姻関係がすでに破綻していたとき(破綻しているとき)は、特別の事情のない限り、浮気・不倫相手(愛人)は不法行為責任(損害賠償=慰謝料)を負わない、としています(最高裁小法廷平成8年3月26日判決)。ただ、一方は、「夫婦関係は破綻していた」と主張するでしょうし、もう一方は、「夫婦関係は破綻していない」と主張することが多いですので、「夫婦関係が破綻していたのかどうか」はかなり争いになるところです。

3 不貞行為があった事(損害)及び浮気・不倫相手(加害者)を知った時から3年以内の請求であること(慰謝料請求権が消滅時効にかかっていないこと)

浮気・不倫の慰謝料請求権(損害賠償請求権)の消滅時効は、不貞行為があった事(損害)及び浮気・不倫相手(加害者)を知った時から3年、不貞行為があった時から20年(除斥期間)です。

不貞行為があった事(損害)及び浮気・不倫相手(加害者)を知らなければ、3年の消滅時効にはかかりませんが、不貞行為があった事(損害)及び浮気・不倫相手(加害者)を知らなくても、不貞行為があった時から20年で、除斥期間経過により消滅します(つまり両方を比べて短い期間)。浮気・不倫が継続している場合は知ってから最後3年分の浮気について請求できます。

消滅時効が完成した(3年が経過した)としても、債権(浮気・不倫の慰謝料請求権)は当然に消滅するものでありません。相手が消滅時効を援用しないと債権は消滅しません。ですから、消滅時効が完成してしまった場合には、相手が「消滅時効の援用」(時効の利益を主張すること)をする前に、何らかの手段を使い、債務を認めさせたり一部を払ってもらったりして、援用できないようにすべきです。

(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
第724条 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする。

4 慰謝料請求権を放棄していないこと
例えば、離婚の時に「離婚に関する債権債務が一切ないことを相互に確認する」「今後名目の如何を問わず、一切の請求をしない」などの約束(離婚協議書などの文書に清算条項が入っている)をしていると、詐欺や脅迫によってそうした約束をさせられた、あるいは重大な思い違いをしていたなど特別の事情がないかぎり慰謝料の請求はできなくなります。

5 相手に配偶者がいることを知っていたこと(あるいは配偶者がいることを知り得る状況にあったこと)
不法行為に基づく損害賠償請求には、「故意又は過失によって」という要件がありますので、浮気・不倫相手(愛人)が既婚者と知っている場合(知っていた場合)や、既婚者と知り得る状況にあったことが必要です。浮気・不倫相手(愛人)が全く既婚者と知らないのであれば、難しいでしょう。ただしこのような場合にも、夫婦関係に支障をきたしたり、あるいは相手に止めてほしい、ということであれば、配偶者であることを主張して、浮気・不倫相手(愛人)に止めるように警告することも一つの方法です。一度、配偶者であることを名乗って、警告すれば後で「既婚者とは知らなかった」と相手は言えなくなります。


慰謝料額は、浮気・不倫に関する個々の事情や損害の具体的程度などが考慮されて決められますので、「一般的な基準額」というものはありません。

一般的なデータ(統計)によると、不倫・浮気相手(愛人)に対する慰謝料額は、50万円~300万円程度となっています(ただし、あくまで一般的なデータです)。浮気・不倫が原因で離婚に至った場合にはさらに高くなります。離婚するとなると、相手に負わされた精神的苦痛が大きいと評価されるからです。配偶者(夫又は妻)に対する慰謝料額としては、離婚の有無や結婚していた年数(婚姻期間)、離婚に伴う財産分与の内容など様々な要素が絡んでくるため、下は数万円から上は1,000万以上と、とても大きな幅があります。しかも、この金額は離婚に伴う財産分与と慰謝料を合わせた額なので、慰謝料額としてはその一部ということになります。配偶者(夫又は妻)に対する慰謝料についてはケース・バイ・ケースとしか言えません。

配偶者(夫又は妻)の浮気・不倫により離婚するに至った場合、通常の慰謝料額より高額になります。この場合、「配偶者(夫又は妻)との離婚により生じる慰謝料」と「浮気・不倫相手(愛人)から支払ってもらう慰謝料」は、配偶者(夫又は妻)が支払う離婚の慰謝料額に全部含まれてしまいます(これは、「不真正連帯債務(※)」という債務になります)。

※不真正連帯債務とは、多数の債務者が、同一の給付について各々独立して全部給付(履行)をなすべき債務を負い、そのうちの一人が給付すれば他の債務者も債務を免れる点では「連帯債務」と同じだが、主観的結合関係がないため、一債務者について生じた事由が他の債務者に影響を及ぼさず(絶対的効力が生じる事由を制限)、負担部分も無く求償関係も当然には生じない点で「連帯債務」と区別される多数当事者の債務関係。法律が「連帯」債務であると規定していても、債権の効力を更に強めるため、弁済(代物弁済、供託、相殺を含む)に相当する場合を除いて、絶対的効力(絶対効)が生じる事由を制限する解釈が認められている。

参考事例・・・浮気・不倫相手(愛人)に対する慰謝料請求  夫から積極的に働きかけて始まった不倫が約9カ月間続きました。しかし、その間も妻との夫婦関係はなんとか維持していました。このケースでは、妻から不倫相手(愛人)に対して慰謝料を請求し、50万円が認められました(東京地裁判決平成4年12月10日)。

例えば、夫の浮気相手に対して「50万円は欲しい」と言い、相手方が「わかりました。それでいいです。払います。」と応じた場合はその50万円が慰謝料となります。もちろん、最初は50万円を請求したものの、相手方との話し合いの末に「30万円にしよう」と決着がついた場合には、その30万円が、慰謝料となります。つまり、お互いの合意さえあればその合意の額が慰謝料の金額になるのです。ちょっと極端な例ですが、きちんと合意があれば1億円でも良いですし、120円でも良いのです。

あなたが「○○万円程欲しい」と請求したところ、「不倫の事実なんか無いので、払うつもりはありません。」とか「高すぎます。もっと安くしてくれれば払います。」などと相手に突っぱねられた場合はどうでしょう?この場合もまずは話し合いが行われ、話し合いによってもお互いの合意がどうしてもまとまらない場合は、最後の手段として、裁判を起こすことになります。しかし、裁判は費用や時間、エネルギーなどを必要とします。そこで、できるだけモメて裁判までいかないように、慰謝料の請求額を妥当な金額にしておくのが良いでしょう(また、請求するタイミングも大事です)。「裁判を起こされると面倒だし、これくらいなら払おうか」と思えるような金額にしておくのがベストだと思います。

証拠が無くても慰謝料の請求自体は可能です。相手方が「不貞行為がありました。この額で納得しました。慰謝料払います。」などと素直に認めてくれれば全く問題はありません。しかし、通常は相手も「できれば払いたくない」と考えるでしょう。こういう場合に備えてちゃんと証拠をつかんでおけば、裁判という大掛かりなことをしなくても有利に立ち回ることが可能になります(「もし裁判になったらあなた負けますよ。費用も時間も労力ももったいないでしょう。ひとつお願いしますよ。」と言えますから、当然、慰謝料の金額についても有利に交渉を進めることができます)。ですから、証拠の有無は非常に重要です。


セクハラ(セクシャルハラスメント)とは「性的嫌がらせ」を意味します(詳しくは→セクハラ)。パワハラ(パワーハラスメント)とは「権力による嫌がらせ・いじめ」を意味します(詳しくは→パワハラ)。

50万円~200万円が多いです(程度によります)。「嫌がらせ」とも取れる行為が長期間続けられ、「うつ」などになってしまい退職を余儀なくされた場合や、セクハラの場合で性行為にまで発展した場合などは、高額になります。


「内縁」とは、結婚の意思をもって共同生活を営みながらも、法的な婚姻の手続きをしていないために正式な夫婦(法律上の夫婦)として認められていない男女の関係のことです。法律的には夫婦でなくとも、戸籍上の問題をのぞけば夫婦と同じ生活なわけです。今では正式な婚姻関係に準ずる関係として、最高裁も「内縁を不当に破棄された者は、相手方に対し婚姻予約の不履行を理由として損害賠償を求めることができるとともに、不法行為を理由に損害賠償を求めることもできる」と明言しています。

慰謝料のほか、内縁の夫婦間にも、同居・協力・扶助の義務、生活費の分担義務があり、内縁関係解消に際しては、財産分与の規定の準用を認めています。財産分与の性質、分与の方法などは離婚の場合と同じです。

内縁生活をしている男性の側が、内縁関係にある女性以外と不貞行為をして一方的に家を出ていけば、これは「内縁の不当破棄」ということで慰謝料(損害賠償)の請求ができます。法律上の保護を認められている内縁関係を、相手の意思を無視して勝手気ままに解消することは許されません。正当な理由もなく(不当に)内縁を解消した者は、相手に慰謝料を払う義務があり、また、清算面、扶養面を含めた財産分与をしなければなりません。